成功事例「ザ・バートン・コーポレーション株式会社」

ザ・バートン・コーポレーション株式会社
SAPシステム接続専用アダプタ「ConnectPlus」により
米国本社-日本支社間のサプライチェーン情報連携を最適化
スノーボード用品のトップブランドとして絶大な人気を誇る「BURTON」。同ブランドを中心に多彩な商品の輸入販売を手掛ける日本法人のザ・バートン・コーポレーション株式会社(以下、バートン)では、米国本社が運用するSAP ERPとの連携を含め、サプライチェーンの最適化に取り組んだ。株式会社エス・アイ・サービスのSAPシステム接続専用アダプタ「ConnectPlus」を介してSAP ERPと3PLの倉庫管理システム(WMS)を連携させることで、柔軟かつ効率的な運用を実現している。

グローバル運用されるSAP ERPとのサプライチェーン連携

スノーボード用品の専門メーカーとして、1977年に米国バーモント州バーリントンに設立されたThe Burton Corporation。スノーボードが市民権を獲得し、90年代には冬季オリンピックの正式種目に採用される中で、革新的な製品ラインはトップクラスのスノーボーダーから支持され、瞬く間に世界のトップブランドに成長していった。1996年からはボードスポーツ用品と衣料ブランドをスタートし、現在ではGRAVIS、ANALOG、REDといった幅広いブランドを展開。また、日本、香港、オーストリア、カリフォルニア、オーストラリアなどに拠点を設立し、グローバル企業としての歩みを続けている。

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ビジネスが成長し、取り扱うアイテム数も増えていくのに伴い、米国本社では基幹システムと物流システムの刷新が急務となった。そこで、1997年にSAP ERPを導入。基幹システムを整備するとともに、物流システムは外部にアドオンで構築し、1インスタンスでグローバル運用している。

米国本社の主導によってIT基盤の拡充が図られていく一方、バートン日本法人では、いくつかの課題に直面していた。現場レベルでは、物流業務そのものがSAP ERPのパフォーマンスに依存するため、レスポンスの悪化に伴い、出荷業務の遅延が発生。システムが米国にあるため、日本のIT部門だけではクレームの対応が迅速に行えない、障害原因の特定・解決が困難といった問題があった。また米国とは13時間の時差があり、担当者間のコミュニケーションにもタイムラグが避けられない。さらには締め払いや取引先専用の帳票など、日本独自の商習慣に対応する必要もあった。
そこで同社では解決に向けて、(1) SAP ERP標準機能による接続、(2) 煩雑な運用を伴うEAI製品ではなく、シンプルにデータ連携できる仕組み、(3) サポート面で安心が得られる日本ベンダー取扱製品であることを条件に、2006年後半より連携ツールの調査を開始。その中で着目したのが、株式会社エス・アイ・サービスが提供するSAPシステム接続専用アダプタ「ConnectPlus」だった。

全体最適とローカル対応のギャップを克服

バートンの取り組みは、単にITの課題解決だけにとどまらなかった。ちょうどその頃、同社は物流を含めたサプライチェーンの改革を目指して、3PL(サードパーティーロジスティクス)業者による物流ASPサービスへの移行を計画していたからだ。この2つの取り組みを、同じレールの上に乗せることに意義があった。同社のインフォメーションテクノロジー(IT部門)でITマネージャーを務める五十嵐善之氏は、その理由を次のように説明する。

「物流アウトソーシングへの移行は、単にコストメリットを追求するだけではなく、ビジネスプロセス改革につながるものです。それだけに、物流とITを切り離して考えることはできないと判断しました。また、いずれも米国本社の承認を必要とするため、彼らを納得させるためにも、確かな効果を見込める計画にする必要がありました。その意味でConnectPlusは、米国のシステムを標準に、グローバルで全体最適を図りたい米国本社と、ローカルな要件にも柔軟に対応したかった日本側とのギャップを埋める鍵になると考えました」

ConnectPlusは、SAP ERPの標準データフォーマットであるIDoc形式をサポートし、ユーザが望むデータ形式に変換するトランスレータ機能を実装している。そのため、EAIツールを介することなく、プログラム間通信でダイレクトにデータ交換を行うことが可能だ。グローバル企業が直面する「全体最適」と「ローカル対応」という相反する課題を抱えるバートンにとって最適な解決策になるとの判断から、採用が決まった。

要件定義から6カ月間の短期間・低コスト導入を実現

ConnectPlusをソリューション連携の核とする物流改革プロジェクトは、3PL業者への物流ASPサービス移行と並行して2007年1月にスタート。バートンのIT部門、米国本社のIT担当者、3PLのシステム担当者、そしてエス・アイ・サービスを加えて4社で要件定義を実施。相互理解のもとに細かい仕様を決めながら、同年6月、3PLの倉庫管理システム(WMS)と米国本社のSAP ERPをConnectPlusを介して接続する、新しい仕組みが本稼働した。同プロジェクトにおいて調整役を務めたシステムエンジニアの加藤博史氏は、エス・アイ・サービスが果たした役割を、次のように評価する。

「同じ品番でも色・大きさが異なる商品の管理など、スポーツ用品やアパレル独自のビジネスロジックを柔軟に吸収してくれました。SAP ERP内部の仕組みに精通しているため、米国本社への提案、3PL側システムとの調整といった面でも、スムーズな進行を助けてくれました。また、開発スピードが早いことにも驚きました。仕様決定後、2カ月足らずでテストフェーズへと移行することができたこともあり、エス・アイ・サービスはデータ連携エキスパートとしての力を存分に発揮してくれたと思っています」

新しいシステムでは、ConnectPlusを介した非同期連携によって、SAP ERPのパフォーマンスに影響を受けなくなり、レスポンスが確実に向上した。また、WMSをSAP ERPと切り離して運用する環境となったため、リカバリーにおいても日本側だけで、迅速に対応することが可能になった。取扱商品数は年々増大しており、SKU(在庫商品単位)数で何十万という規模になっているが、大量のデータ連携もスムーズに行われているという。

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さらなるサプライチェーン改革を推進

新しい物流システムの成功を踏まえて、バートンはさらなる改善に着手した。1つは、アウトソーシング先である3PLの変更。もう1つは、日本の商習慣に合わせた帳票システムの構築である。
前者においては、アパレル/フットウェアに精通した3PLを選定。そのノウハウを活用することで、競争優位性を高めることが目的だった。後者の帳票システムは、これまでアドオンでファイル出力し、FTPによりファイル転送していたが、不安定で出力されない帳票が発生するという問題を抱えていた。また、帳票追加や項目の変更を行う度に、米国本社と調整を図る必要があり、取引先に指定された専用帳票などに柔軟に対応していくことが難しかった。

「アウトソーシング先の変更においては、エス・アイ・サービスのサポートのもとで設定を変更するだけで新たなWMSと連携できたので、非常にスムーズでした。このように拡張性・柔軟性に富んでいるのもConnectPlusのメリットだと実感しました。また、帳票システムにおいても、SAP ERPの改修作業はIDoc化するだけで済みます。そのため、従来のアドオンプログラム開発とは比べものにならないほど工数を大幅に削減しながら、柔軟な対応が図れるようになりました」(五十嵐氏)

これらの取り組みについては、米国本社も高く評価しているという。バートン日本法人は今後も、サプライチェーンの強化に取り組む意向だが、データ連携基盤としてConnectPlusを採用していることが、大きなアドバンテージになるに違いない。

導入企業プロフィール

ザ・バートン・コーポレーション株式会社

本社:東京都渋谷区
設立:1995年1月
事業概要:スノーボード、サーフボード、スケートボードおよびその関連商品、アパレル、フットウェア、バッグなどの企画・販売
http://www.burton.com

パートナー企業

株式会社エス・アイ・サービス

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