導入事例「イオンクレジットサービス株式会社」

イオンクレジットサービス株式会社
経営に資する人材戦略に向けてSAP SuccessFactorsを広範囲に活用
金融サービス事業を展開するイオンクレジットサービス株式会社は、経営に資する人事体制を目指して、クラウド型人事/タレント管理ソリューションのSAP SuccessFactorsを導入。プロファイル管理による人材情報の可視化や、全国の従業員を対象にコンプライアンス研修などのeラーニングを実施する取り組みを、日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(以下、TCS)がサポートしている。

経営に資する人事施策の強化

祝 勝崇 氏

祝 勝崇 氏
イオンクレジット
サービス株式会社
人事部 人事企画グループ
マネージャー

イオン銀行、イオン保険サービスなど35社で構成されるイオングループの金融持株会社「イオンフィナンシャルサービス」の一角を占めるイオンクレジットサービス。前身の会社から30年以上推進してきたクレジットカード決済業務に加え、近年はデビットカード、電子マネー、Apple Payなどの電子決済や、生体認証を用いた新たな決済サービスの開発など、ビジネスモデルの改革も推進している。

人事部では新たな金融決済のニーズへの対応も視野に入れ、経営に資する人事施策の立案と、それらを支えるシステムの企画/開発に取り組んできた。その中で課題となったのが、人材の活躍をバックアップする体制の整備と、経営に貢献するための仕組み作りだ。人事部 人事企画グループ マネージャーの祝勝崇氏は次のように説明する。

「社員に対してキャリア形成や活躍のフィールドを示し、自己啓発を促す環境を整えるとともに、人材活用について経営陣がKPIを参照できるダッシュボードのような仕組みも将来は必要になってくると考えました」

そこで、人材情報の可視化、経営幹部や管理職に対する人事情報の提供、集合研修中心に行ってきた教育の効率化、キャリアパスや人材像の明確化と人材育成を目的に、タレント管理ソリューションの導入を検討した。

SAP ERP HCMとの親和性とTCSの支援体制を評価

帰山 大 氏

帰山 大 氏
イオンクレジット
サービス株式会社
人事部 人事企画グループ
アシスタントマネージャー

イオンクレジットサービスが選んだのは、TCSが提案したSAP SuccessFactorsだった。採用理由は、同社が10数年利用してきた人事給与ソリューションSAP ERP HCMとの親和性と開発の柔軟性、さらにSAP SuccessFactorsの機能性にあった。

「SAP ERP HCMと親和性が高いため、導入に際して改めてマスターコードを再定義する必要がなく、要件定義や確認作業などを省力化できると考えました。また、海外製のソリューションでありながら、日本語への対応はもちろんのこと、日本の法改正にも素早く追随できる点についても安心感がありました」(祝氏)

同社ではSAP ERP HCMの運用/保守を2005年からTCSに委託し、アプリケーションのバージョンアップや法改正への対応、インフラ環境の機能強化の支援を受けてきた。「SAP SuccessFactorsの導入にも、当社の人事管理を熟知しているTCSのプロジェクトマネージャーとチームメンバーが参画するということで不安はありませんでした」と祝氏は振り返る。

それでも、同社において初のクラウドサービス導入であったため、セキュリティ面からは慎重な対応が求められた。人事部 人事企画グループ アシスタントマネージャーの帰山大氏は、「当社のシステムは個人情報や金融資産の情報を取り扱うため、基本的にオンプレミス運用で、すべて外部から遮断されています。クラウドサービスを導入して外部との通信環境を設けると情報漏洩のリスクが高まることはないか、これまでにない評価基準で検証する必要がありました。そこでTCSと相談しながら内部システムと切り離すことを前提にネットワークを設計することで、1つひとつセキュリティチームの了解を得ていきました」と語る。

また、社員のタレントマネジメントを行ううえで、プロファイル管理の項目設定に際してはTCSの他社事例を参考に検討を重ねたという。

「商品特性での差別化が難しい金融サービスの場合、最終的に重視されるのはお客様と接する従業員の人間性です。その観点から、社員の経歴やコンピテンシーを正しく評価できるよう管理項目を工夫しました」(帰山氏)

約1万人を対象としたコンプライアンス研修の効率化

今回、イオンクレジットサービスが導入したSAP SuccessFactorsのモジュールは、社員プロファイルを管理する「Employee Profile」、eラーニング/学習管理の「Learning」、キャリア開発/後継者管理の「Succession and Carrier Development」の3つだ。2017年4月に社員管理のベースとなるEmployee Profileを先行稼動。その後、全社的なコンプライアンス研修実施に合わせてLearningの利用を開始。Succession and Carrier Developmentについては2018年度中を目処に稼動開始予定だ。

「人事戦略に合わせてロングスパンで開発を進める必要があり、全容を見極めるのが難しい面があります。また、直接利益を生み出す仕組みではないため、社内でリソースを確保することが難しく、少人数でのスタートとなった点を思い出します」(祝氏)

そのため、TCSによる全面的なサポートが、早期の安定稼動に大きく役立ったと帰山氏は評価する。

「私自身、以前から多くのITシステムの導入プロジェクトに携わってきましたが、TCSは他社と比べてもずば抜けて柔軟性が高いと感じています。要望に対してすぐに"できない"と答えるベンダーもある中、TCSはいったん課題を持ち帰って、契約の範囲内でできることを提案してくれました。また、導入後の運用に関しても"こうしたほうがいい"と我々が気付かないところまで指摘をしてくれます。こうしたベンダーは他には見当たらないだけに、引き続き良好な関係を築いていければと思っています」

現在は、Employee Profileで正社員約2,500名とパート・アルバイト約7,500名の人事情報を一元管理して、管理職以上が人事評価や人事異動などに利用している。「以前、従業員の情報は紙の台帳で確認していたため、記載されている項目以外の情報を知りたいと思っても限界がありました。今では必要な人材情報のすべてがSAP SuccessFactors上で見られるようになり、管理職からの評価も上々です」(祝氏)

また、eラーニングの導入によって、従業員教育が大幅に効率化された。従来、正社員とパート・アルバイト社員合わせて約1万人を対象にしたコンプライアンス教育などの従業員研修は、全国の拠点に従業員を集め、約4時間かけて対面方式で実施していた。

「eラーニングなら、従業員が働く事務所や店舗内のサービスカウンターなどで、都合の良い時間に受講できます。会社としても1万人規模の移動コストが削減できる効果は大きく、受講状況をシステム上で一元的に把握できることもメリットです」と帰山氏は説明する。今後はタブレットを導入して、より受講しやすい環境を整備する予定だ。eラーニングはその他にも、正社員を対象とした階層別研修の課題提出に利用されており、今後も活用範囲を拡大していく予定だ。

適材適所の人材配置に向けてデータを活用

今後は、Succession and Carrier Developmentをキャリア開発/後継者管理に活用していく考えだ。

「例えば、社内で新しいプロジェクトチームを立ち上げる際、妥当な人数や最適なメンバーを検討する用途での利用を想定しています。これによって適材適所の人材配置が可能になると期待しています」(祝氏)

また、当初からの課題であった経営ダッシュボードの本格的な実現に向け、生産性の指標となる人件費や労働時間など各種データを集約しながら、人工知能(AI)などのテクノロジーを活用した分析環境の整備を進めていく。周辺システムと連携してSAP SuccessFactorsの機能活用を進めるイオンクレジットサービスの取り組みは、今後も加速していく。

SAP SuccessFactors導入のポイント

図1:SAP SuccessFactors導入のポイント ※クリックして拡大

会社概要

イオンクレジットサービス株式会社

設立:2012年11月
資本金:5億円
事業概要:クレジット・保証事業、プロセッシング事業
https://www.aeoncredit.co.jp/acs/

パートナー企業

日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社