導入事例「アビームコンサルティング株式会社」

アビームコンサルティング株式会社
さらなるビジネス拡大を目指して基幹システムをSAP S/4HANAで刷新
基盤OSに実績豊富なSUSEを選択
経営/ビジネスプロセス/ITの各領域でコンサルティングサービスを提供するアビームコンサルティングでは、グローバル展開のさらなる拡大と新たなサービス提供形態に対応できる基幹システムの必要性が高まっていた。そこで2016年に現行システムの刷新を決定、SAP S/4HANAを採用し、基盤として「SUSE Linux Enterprise Server for SAP(SLES for SAP)」、「SUSE Manager」を選択した。

新たなビジネス展開を支える基幹システムをSAP S/4HANAで再構築

畠山 友希 氏

畠山 友希 氏
アビームコンサルティング株式会社
執行役員 プリンシパル
プロセス&テクノロジー
ビジネスユニット

アビームコンサルティングは、現在アジアパシフィック/米国・中南米/欧州の3拠点体制でグローバルにビジネスを展開している。最近では、さまざまな業界/業種へのサービス提供で培ったノウハウを集約し、SaaS形式で業種別ERPテンプレートや業務別アプリケーションを提供する「ABeam Cloud」というクラウドソリューションをリリースした。同社 執行役員 プリンシパルでプロセス&テクノロジービジネスユニットの畠山友希氏は、次のように説明する。

「2016年に立案した4か年の中期経営計画は、お客様とWin-Winの関係を維持しながら互いの成長を目指す"Real Partner"戦略を軸に、さらなるビジネスの拡大を図るものです。ABeam Cloudに加え、成功報酬型のビジネスやITのアウトソーシングサービスなど多様なサービスメニューをボーダレスに提供していきます」

しかし既存の基幹システムでは、同社の新たなビジネス活動を十分に支えることができなかった。当時利用していた基幹システムは、2008年にWindowsベースで自社開発したもので、会計処理と人事管理にはSAPモジュールを利用していた。しかしサービスメニューを拡充し、海外エリアも拡大しようとすると、今まで以上に効率的な経営環境を構築する必要があった。
例えば経営層がビジネス状況をモニタリングする場合、世界の拠点を横串で刺し、見たい切り口で柔軟にデータを加工し、直観的なビジュアルで比較検討できるような仕組みを必要としていた。

鈴石 庸勝 氏

鈴石 庸勝 氏
アビームコンサルティング株式会社
情報システムユニット
情報システムグループ
シニアマネージャー

そこで同社は2016年春に、基幹システム刷新プロジェクトを立ち上げた。「SAP S/4HANA 1610」を採用した点について、情報システムユニット 情報システムグループ シニアマネージャーの鈴石庸勝氏は次のように説明する。

「弊社は、年間約300件にのぼるお客様のSAP導入プロジェクトをご支援させていただいており、SAP認定コンサルタントの数も2800名以上で国内最多です。SAPソリューションに関する知見やノウハウを活かし、自社の基幹システムにもSAPパッケージを、その際には最新のSAP S/4HANAを使おうと決定しました」

同社ではSAP S/4HANAのデータベースとして、最新のSAP HANA 2.0を採用。採用した主要なSAPモジュールはCPM、MRS、FICO、MM、PS、HCMで、他にもSaaSのSAP FieldglassやCONCUR、SuccessFactorsなどを利用している。

クラウドとの親和性やサポート期間、実績を考慮してSUSEを選択

石田 欣史 氏

石田 欣史 氏
アビームコンサルティング株式会社
情報システムユニット
情報システムグループ
マネージャー

次に検討すべきテーマは、「基盤となるOS」だった。SAP S/4HANAはWindowsもサポートしているが、SAP HANAはLinuxでしか動作しない。選択肢は、SUSEかRed Hatかの二択だった。情報システムユニット 情報システムグループ マネージャーの石田欣史氏は、選定のポイントを次のように説明する。

「2016年の秋にリリースした経営ダッシュボード"ABeam Digital Board Room"の基盤として既にSUSEを利用していました。ABeam Cloudで採用していたのもSUSEで、またABeam Cloudの基盤となるパブリッククラウドでは、SUSE Linux Enterprise Server(SLES)の最新バージョンをサポートしていました。また、長期スパンでの利用を想定し、長いライフサイクルでサポートしてもらえる製品が必要でした。SLES for SAPはプロダクトサイクルが13年で、通常は6カ月間のサービスパック重複サポートが18カ月間あり、さらに通常サポート終了後には2年間の延長サポートを提供してくれる点も、非常に信頼のおける製品でした」

そして石田氏が決定打として強調したのが、SAPとSUSEの強力なパートナーシップだ。

「SAPは社内での標準開発環境としてSUSEを使用しています。また世界のSAP HANAユーザーの95%がSUSEを使用しています。今後弊社がさらなるグローバル展開を図り、SAPソリューションのノウハウをデリバリーしていく際にも、ユーザーの多さは非常に魅力的で、弊社の強みが十二分に発揮できる場でもあります」

ハイブリッド環境の効率的な運用管理に欠かせないSUSE Manager

同社はコストシミュレーションの結果、本番環境と検証環境はオンプレミス、開発環境とディザスタリカバリ環境はパブリッククラウドという切り分けを行った。ここで出てきた新たな課題が、ハイブリッド環境でのシームレスな連携だ。

「社内にはLinuxに詳しいエンジニアがほとんどいなかったため、リリースされるセキュリティパッチの中でどれが優先度の高いものかも分かりません。さらに運用開始後、監査上ユーザーがアクセスしたモジュールを把握するためにログを収集する必要がありますが、クライアント1台1台にアクセスしてログを集めてくるのは現実的に不可能です。またパブリッククラウドでは一部でWindows環境も利用しています。こうした状況をすべて含めて、効率的な運用管理を行う仕組みが必要でした」(石田氏)

そんな時SUSEから紹介されたのが、パッチの種類や優先度といった情報を管理者に提示し、運用管理を容易にする「SUSE Manager」だ。この製品は、Windowsの監視ツールであるMicrosoft System Center Operation Manager(SCOM)とも連携し、1台のコンソールからWindowsを含むオンプレミス環境とクラウド環境を一元的に監視できる。

「SUSE Managerなら、オンプレミスとクラウド、さらにはLinuxとWindowsの混在環境を一元的に管理できます。効率的な運用管理を行う上で無くてはならない製品だと言えます」(石田氏)

今回のプロジェクトで獲得した知見を顧客にも還元

アビームコンサルティングでは、2016年秋にABeam Digital Board Roomをリリースし、2017年夏前には基幹システムの一部機能である勤怠管理と経費精算を国内の従業員向けに、そして2018年の年明けにはすべてのモジュールを全世界の拠点で一斉にリリース予定である。ABeam Digital Board Roomの導入後、経営層からは毎日のように"こんな切り口でデータを見たい"という要望が寄せられてきている。基幹システムが全面カットオーバーすれば大量データもリアルタイムで分析できるため、より迅速な意思決定につながり、さらには自分自身で切り口の変更やドリルダウンもできるようになるという。

同社は「SAP AWARD OF EXCELLENCE」を過去18回受賞しており、こちらも国内最多である。また2016年には最も優秀なプロジェクトを表彰する「プロジェクト・オブ・ザ・イヤー」も受賞している。

「会社や人と同様に、システムも将来に向けて成長できるものを作りたいと考えています。それが経営効率のアップに繋がり、お客様に弊社の知見をお伝えすることにも繋がっていきます。今回SAP S/4HANAとSLES for SAP、SUSE Managerを採用して構築した基幹システムのノウハウも、今後お客様に還元させていただきたいと思います」(畠山氏)

図1:新基幹システム概要図

図1:新基幹システム概要図

会社概要

アビームコンサルティング株式会社

設立:1981年(昭和56年)4月1日
資本金:62億円
売上高(連結):716億円(2017年3月期)
従業員数(連結):4,717名(2017年4月1日現在)
事業概要:マネジメントコンサルティング、ビジネスプロセス コンサルティング、ITコンサルティング
http://jp.abeam.com/

パートナー企業

ノベル株式会社
ノベル株式会社