導入事例「日本電気株式会社」

日本電気株式会社
SAP HANAの導入でマネジメントの高速化を実現
IoT、ビッグデータ時代の新しい価値創出に挑む
日本電気株式会社(以下、NEC)は、ビジネスのデジタル化が進む中で、さらなる経営のスピードアップと効率化の必要性を感じていた。そこで、マネジメントサイクルを高速化するとともに、NECが目指すデジタル・トランスフォーメーションに向けた基盤整備とTCOの削減を両立するため、SAP ERPのデータベースをSAP HANAで再構築。社内のデータに加え、広範かつ即時性の高いビジネス情報を活用することにより、経営層、管理層、現場のそれぞれが、より高速なマネジメントのPDCAサイクルを実践していける環境を整えた。

NECが目指すデジタル・トランスフォーメーションの確立へ

関目 剛久

関目 剛久
NEC 経営システム本部長

IoTやクラウド、ビッグデータ、AIなど、現在、新しい技術を中心としたデジタル化が急速に進んでいる。こうした中、熾烈なグローバル市場でさらなる成長を続けていくためには、様々なデジタルデータを積極的に活用し、新しい価値を創出していく必要がある。こうした観点から、NECグループでは2010年以降、ITシステムを刷新してきた。

「その結果、経営や現場のデータを高精度に入手できるようになり、ビジネス環境の変化に応じたスピーディな意思決定が可能となりました。しかし昨今は、その変化がさらに激しくなり、より鮮度の高い情報を使ってPDCAを回すことが非常に重要になっています」とNECの関目剛久は語る。

また、データを活用する前に、データを収集したり、整理する作業が必要になるケースもある。すでにNEC内には、ERPをはじめ多種多様かつ大量なデータが蓄積されているが、以前のシステムでは、そのデータの加工に時間がかかることがあった。これでは利用者の自由度が損なわれる上、ビジネス機会を逸する可能性すらある。「環境変化に追随していくには、経営層、管理層、あるいは現場といったそれぞれのレベルに応じて、ビジネス上の広範かつ即時性の高い情報に基づき、マネジメントのPDCAサイクルをより高速化することが不可欠です。これは、NECが目指すデジタル・トランスフォーメーションの確立に向けた取り組みの一環とも言えるでしょう」(関目)

利用者に自由度をもたらす、最新データベースプラットフォームを採用

松本 浩一

松本 浩一
NECマネジメントパートナー
プロセス・IT統括事業部
エグゼクティブエキスパート

ビジネス上の広範かつ即時性の高い情報を活用し、各役割に応じたマネジメントサイクルを高速化する ―― この目的に向け、NECがSAP ERPの新たなデータベースプラットフォームとして選択したのが、「SAP HANA」だった。
SAP HANAは大量データを高速で処理するために、SAP 社が開発したデータベースプラットフォーム。その最大の特徴は、インメモリ技術による高速処理にある。すべてのデータをメモリ上で処理するインメモリ技術は、ハードディスクのデータベースと比べて、数千倍から数十万倍のパフォーマンスを発揮する。

「こうした高速性だけでなく、これまでNECが蓄積してきたSAP ERPとリアルタイムに連携できる点や、様々なデータを活用し、分析できる点も重要なポイントになりました」とNECマネジメントパートナーの小川源生は説明する。

SAP HANAはデータベースが得意とする構造化データのほか、地理空間データ、ソーシャルデータなどの非構造化データのすべてをカバーできる上、それをリアルタイムで処理することができる。「これにより、時間や場所、データの違いといった利用者の制約をなくし、さらなるデータ活用が可能になっていくことを目指しています」とNECマネジメントパートナーの松本浩一は語る。

数億件以上の情報を、利用者が瞬時に分析・活用できる環境が実現

小川 源生

小川 源生
NECマネジメントパートナー
プロセス・IT統括事業部
シニアエキスパート

NECでは、グループ企業に対するSAP HANAの導入を実施、2016年11月までに国内・海外拠点への適用を完了した。導入が完了した国内拠点では、すでにその成果が表れつつある。まず当初の狙いだったマネジメントサイクルの高速化はその1つだ。

「各製品についてのグローバルでの実績把握や販売見込み管理を例にとってみます。これまでもエリア別、製品別、月別、パートナー別といった形で、社内や各拠点の状況をシステム的に可視化し、必要な分析を行えるような仕組みは整備してきました。SAP HANAを使えば可視化が強化され、今後、競合他社の情報、あるいはエリア別の市況や販売情報を見ながら、『競合のミドルレンジと当社のハイエンドでは、値段や性能でどう自社のポジショニングが変わるのか』といったことまでをリアルタイムに分析できるようになります」と松本は語る。

さらに高速処理が実現したことにより、業務生産性も向上している。お客さまからの入金を社内の債権に紐付ける「債権消込」はその一例だ。

「これまでは、様々な部門や拠点でシステムに投入される膨大な入金データを、膨大な債権データに紐付けて月次で集中処理していたため、なかなかレスポンスが返らず、多くの待ち時間が発生していました。その点、SAP HANAの高速データ基盤の採用後は、そうした処理がスムーズに行えるようになりました」(小川)

こうした大容量かつ即時性のあるデータを扱えることは、スピーディな経営判断にもつながる。

「数億件以上の業績情報や見込情報をリアルタイムに分析したり、数億件以上の会計情報の明細をリアルタイムに監査したりすることも可能です。こうした情報をリアルタイムに経営層に提供できれば、より精度の高い経営判断も実現可能になるでしょう」(関目)

加えて、ストレージ容量の圧縮機能の活用や、ストレージの集約の推進などにより、TCOを削減できたことも大きなメリットだ。「データ圧縮だけではなく、性能が飛躍的に向上したことによる効果もTCOの削減につながっています。例えば、これまでは最大のピークを迎える決算期前にバッチ処理等の性能が担保されるかを事前検証し、性能不安が見られる場合は、その都度、チューニングを加えていました。しかし今では、SAP HANAの導入により、チューニング作業を行うことが大幅に減りました」と小川は紹介する。

今後NECでは、IoTで得られる情報をはじめ、様々なデータをSAP HANAに取り込み、そこで得られるノウハウ、知見を広く社内で共有することで、お客さまに向けたソリューション提供や新たな価値の創出に生かしていく。デジタル・トランスフォーメーションの確立に向け、NECの新たな挑戦はさらに続く。

図1:NECが目指す経営のデジタル・トランスフォーメーション

図1:NECが目指す経営のデジタル・トランスフォーメーション

会社概要

日本電気株式会社

設立:1899年7月17日
資本金:3,972億円(2017年3月末現在)
売上高:単独 1兆6,794億円、連結 2兆6,650億円(2016年度実績)
従業員数:単独 21,444名、連結 107,729名(2017年3月末現在)
事業概要:端末からネットワーク機器、コンピュータ機器、ソフトウェア製品、サービス基盤に至るビジネス向け製品、およびそれらをベースとした広範なソリューションサービスを一括提供するIT総合ベンダー
http://jpn.nec.com/

パートナー企業

日本電気株式会社
日本電気株式会社