導入事例「河北ライティングソリューションズ株式会社」

導入事例「河北ライティングソリューションズ株式会社」
スピーディーな情報共有環境で
グローバルビジネスの成長基盤を構築
宮城県石巻市に本社を構える河北ライティングソリューションズ株式会社は、半導体製造装置、医療用分析装置などで用いられる特殊ハロゲンランプや放電ランプの開発・製造で、海外の顧客からも高い評価を受けている。同社は20年以上にわたって全社の事業を支えてきたシステムを、株式会社アイ・ピー・エスの支援を得てSAP ERPで刷新。スピーディーな意思決定を支える経営と現場の情報共有を実現し、グローバルビジネスでの新たな飛躍を目指している。

グローバルビジネスでの成長を見据え、現場を20年以上支えたシステムを刷新

新谷 優 氏

新谷 優 氏
河北ライティング
ソリューションズ株式会社
業務部 ITグループ 課長

2006年にフィリップス社から独立して、現在の経営体制に移行した河北ライティングソリューションズは、半導体製造装置、医療用分析装置などで用いられる特殊ランプの製造・開発におけるリーディングカンパニーだ。その製品は欧州、米国、中国、韓国などでも広く供給され、2013年にはベトナムの新工場が始動するなど、アジア市場への供給体制も強化が進められている。

そんな同社にとって大きな経営課題となっていたのが、製造現場を含めた全社の業務を支えるIT環境だった。業務部 ITグループの課長を務める新谷優氏は、次のように語る。

「当社では20年以上もの長きにわたって、現場の要望に応える形で1つのシステムを改修しながら使い続けてきました。これは現場にとっては使い勝手のいいシステムでしたが、メンテナンスの負荷が大きい上に、日々の生産情報をリアルタイムで把握したい、グローバルビジネスの強化を図りたいといった経営陣の要求に応えられる仕組みではありませんでした」

こうした状況において、既存のシステムが保守期限を迎えることもあり、同社ではグローバルビジネスでの未来の成長を見据え、スピーディーな情報共有と精度の高い意思決定を支援する新たな基幹システムの導入を2015年に決断した。

「その選択肢として、当初は国産のパッケージを含めた複数の製品が候補に挙げられました。もちろん、世界的に評価の高いSAP ERPも候補の1つでした。しかし、当社の事業規模を考えると投資が高額であることに加えて、パッケージ製品でどこまで製造現場の複雑なプロセスをカバーできるのかといった点で、社内からは懐疑的な意見も聞かれました。また、当社にSAP ERPのノウハウがないことも不安材料でした」(新谷氏)

明確な投資回収の見通しとSAPのエコシステムの付加価値

鈴木 伸宏 氏

鈴木 伸宏 氏
河北ライティング
ソリューションズ株式会社
業務部 ITグループ 主任

最終的に河北ライティングソリューションズがSAP ERPの導入を決断するきっかけとなったのは、製造業のノウハウに強みを持つ株式会社アイ・ピー・エス(以下、IPS)からの提案だった。問い合わせた当初は、自社でやりたいことを全て実現しようと思うと、価格面で折り合いが合わないとベンダー側から断られると思っていたという。しかし、IPSから提供される製造業向けテンプレートを活用することで、複雑なプロセスの大部分をカバーできることがわかり、それによる開発コストの抑制、稼動後のメンテナンスの負荷軽減を踏まえると、現状の事業規模においても十分な投資回収の見通しをつけることができた。

「2~3年と検討に時間がかかりましたが、IPSはじっくりと付き合ってくれました。当初の想定ほど投資規模が高額にならなかった点と、導入支援体制のめどがついたことは大きいですね。こうした点はSAPそのものというより、周辺も含めたエコシステムの付加価値だと思います。とはいえ、安い買い物ではありませんので、ここは経営陣の英断でした。スピーディーな情報共有と意思決定を支える持続的な経営基盤の構築という経営のビジョンと、SAP ERPの設計思想が一致したということです」(新谷氏)

たしかに国産のパッケージ製品をカスタマイズすれば、複雑な製造プロセスに最適化されたシステムは作り上げることができる。しかし、それでは改修のたびにコストが発生する従来の個別最適のシステムと同じになってしまい、経営の品質、業務の品質を次のステージへと押し上げることはできない。導入コストを未来への投資ととらえ、社内の反発も覚悟した上での経営陣の決断は、まさに大きな飛躍に向けた第一歩だった。

アジアの拠点間の連携も強化しSAP ERPの投資価値を向上

約1年の導入期間を経て、河北ライティングソリューションズでは2017年1月からSAP ERPの本格運用を開始した。新谷氏は今後について、次のように話す。

「まだインフラが整った段階ではありますが、すでに一部のユーザーからは『こういう使い方をすれば、自分の業務でかなりの効果が出せる』といった声が出ています。SAP ERPの導入は現場のプロセスを見直す絶好の機会となるだけに、今回のプロジェクトはすべての社員の成長を促す意味でも大きな意義がありました。こうした声が全社に広がっていけば、新たな経営基盤への投資価値はさらに高まります」

SAP ERPの導入後、同社が実感している効果としては、原材料の払出しや生産実績をはじめとした物の受払いの情報、あるいは注文情報や取引の進捗といった情報がタイムリーに入力され、その結果が一元的に集約されて、日々原価や損益、在庫が捉えられるようになったことが挙げられる。また、情報収集のあり方も大きく変化した。従来は、月次で締めた後、手作業でレポートを作成し、多くの情報を加工して情報を見ていた。しかし、今は情報をタイムリーに捉えることが可能になり、しかもさまざまな軸で捉えられるようになった点で、非常に満足しているという。

さらに河北ライティングソリューションズでは、今は一部の従業員だけが感じている業務効率向上を同社全体に拡大し、全社的な業務効率アップを図りたいと考えている。また、現場から経営までの情報の共有化、スピード、正確さを構築することも重要だ。現場の1人ひとりに至るまで、今より多くの情報をシステムから取得し、判断していけるようにしていくことが同社のこれからのテーマとなっていくという。

「例えば、今使うことができる在庫や在庫の予定を単純に捉えるだけではなく、さまざまな分析手法を取り入れて、より高度な在庫評価に挑戦することもできるはずです。原価管理においては、社内原価管理の精度を高めて、全社的に損益の評価やあり方を見直していくようなことを、IPSと一緒に1つずつ挑戦していきたいと考えています」(新谷氏)

また、海外拠点とのシステム統合も進んでおり、直近の課題として、ベトナム工場とのシステム連携がある。これが実現すれば、アジアの拠点を横断したスピーディーな情報共有と意思決定がさらに強化され、同社がグローバルビジネスで競争力を発揮するための新たなスタートになるはずだ。持ち前の技術力を生かして世界の市場での成長を目指す中堅・中小企業のビジネスにおいて、SAP ERPは優れた柔軟性を発揮する。SAP ERPを活用した変革に取り組み、新たな飛躍を遂げようとしている同社のチャレンジは、まさに貴重なモデルといえるものだ。

一方、導入を全面的に支援したIPSでは、SAPの効果をお客様企業が最大限に実感できるよう、通過すべき業務の改善ステップを全てメニュー化していく方針で、日々サービスを補完し続けている。河北ライティングソリューションズをはじめ、多くのお客様企業でチャレンジしたことは全て標準化、メニュー化して他のお客様でも同じようなサービスを届けられるようにしていく。「絵に描いた餅」ではなく、本当に実現可能な現場の改善を1つひとつ積み重ねて、お客様企業が大きな効果を達成するためのサービスを提供することが、「インプリメンテーションパートナーからイノベーションパートナーになっていく」IPSのミッションだと考えている。

会社概要

河北ライティングソリューションズ株式会社

設立:1927年8月(前身の近藤電気工業所)
資本金:1億円
売上高:約27億円(2016年度)
従業員数:130名(2017年3月現在)
事業概要:特殊(業務機器組込み用)ハロゲンランプおよび放電ランプの開発、製造と販売
www.kls-co.com

パートナー企業

株式会社アイ・ピー・エス
株式会社アイ・ピー・エス