導入事例「NTT都市開発株式会社」

NTT都市開発株式会社
全システムを支える「統合保守運用ヘルプデスク」を
アウトソーシングし、運用の標準化を推進
幅広く不動産開発・運用を展開するNTT都市開発株式会社。経営管理力の強化を目指す同社は、SAP Business Suite powered by SAP HANAの導入を機に、統合保守運用ヘルプデスクの構築にNTT DATA Groupのアウトソーシングサービスを採用。ユーザーからの問い合わせに一元的に対応しながら、システム運用の標準化、最適化を推進している。

総合不動産業の経営力強化に向け基幹システムを刷新

長沼 正孝 氏

長沼 正孝 氏
NTT都市開発株式会社
ITイノベーション部 部長

NTT都市開発は1986年の設立以来、「アーバンネット」シリーズで知られるオフィスビルの開発・賃貸をはじめ、「Wellith(ウエリス)」シリーズの分譲マンションの開発・販売など幅広く事業を展開し、2016年に30周年を迎える総合不動産会社だ。近年は国内事業で培ったノウハウを活かし、グローバル事業やホテル・リゾート事業に参入するなど、総合不動産デベロッパーとしてさらに事業を拡大している。

人口動態、産業構造の変化やグローバル化が進み、世界レベルで転換期を迎える現在、同社は「中期ビジョン2018」を策定し、「お客様・マーケット志向の徹底」「イノベーションの追求」の2つをキーワードに経営改革を進めている。その一環として、「全社BPRプロジェクト」を推進し、経営管理力の強化とバックオフィス業務の生産性向上を目指している。

同社は、この全社BPRプロジェクトの目標達成を支援するIT基盤として、賃貸管理、工事管理、分譲管理、管理会計などを行う基幹システムを刷新するにあたり、「SAP Business Suite powered by SAP HANA(以下、Suite on HANA)」を採用した。同社のITイノベーション部 部長の長沼正孝氏は「各部門が個別に運用していたシステムの一元化を図り、1ファクト、1データ、マルチユースを実現して新たな事業展開に活かすことを目的としました」と語る。

フルアウトソーシングによる統合ヘルプデスクを構築

NTT都市開発のSuite on HANA導入プロジェクトは2016年7月にカットオーバーを迎え、現在は運用フェーズに移行している。同社は継続的な運用保守を見据え、Suite on HANAのアプリケーション保守とヘルプデスク対応に加え、ほぼすべての社内システムのヘルプデスク業務をフルアウトソーシングすることを検討した。社員が日常利用しているメールサーバーやファイルサーバー、ポータルサイトなどの情報系システムや、不動産管理業務のためのサブシステム、LANやWANなどのネットワーク、PCやモバイルデバイス、テレビ会議システム、監視カメラなどに関するサポートと、各種システムのマスターデータの登録・修正などのBPR的業務だ。その目的について長沼氏は次のように説明する。

「運用保守の中心的な役割は、Suite on HANAのアプリケーション強化にあります。しかし、その他のシステムのサポートを個々に行っていると対応窓口が分散し、サービスレベルにも濃淡が出てしまいます。そこで、全システムのサポートをアウトソーシングすることで窓口を一元化し、ユーザーからの要望を集約しながら運用保守の標準化、最適化を図ることにしました」

運用保守のアウトソーシング先については、SAPシステム全般に対する豊富な経験とノウハウを評価し、NTT DATA Groupを選択した。
「NTT DATA Groupには、Suite on HANAの導入初期からPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)として、システムの品質維持を依頼していました。その時から、SAPシステムに関して圧倒的な知識と経験を持つ、実力のある組織だと感じていました。運用保守についても、開発ベンダーとは異なる第三者の視点から、システムのあるべき姿について冷静な評価、分析が得られることを期待しました」(長沼氏)

窓口を一元化しさまざまな問い合わせに対応

NTT都市開発が導入したフルアウトソーシング型の「統合保守運用ヘルプデスク」は、NTT DATA Groupのサポート要員が問い合わせにリモート対応するもので、L1サポートでユーザーからの一次対応を受け付け、問題を切り分けたうえで必要に応じて上位のL2サポートにエスカレーションする。ヘルプデスクの窓口対応は平日の9時から18時までだが、サーバーやネットワークのダウンなど緊急度合いが高いトラブルについては、サービスデリバリーマネージャーが24時間365日体制で対応し、早期の解決を支援する。

現在ヘルプデスクは、NTT都市開発本体と物件管理を担うグループ会社の社員合わせて約800名からの問い合わせに対応。サポート内容についてはSuite on HANAで構築した賃貸管理、工事管理、分譲管理、管理会計のシステムに関するものが多いという。「稼動から間もないため基本的な問い合わせもありますが、NTTグループ共通の経理システムや顧客管理システムとのデータ連係に関するものまでさまざまです。その他にも、マスターデータの登録・修正作業もNTT DATA Groupに依頼して標準化を進めています」と長沼氏は説明する。また、運用開始後にシステム基盤のパフォーマンス改善の提案をNTT DATA Groupから受け、ベーシスのチューニング作業を実施してリカバリーを図ったという。

システムの高度化を目指しさらなる標準化、最適化を推進

NTT都市開発は統合ヘルプデスクの活用とともに、運用保守の標準化、フロー化、マニュアル化を推進している。アプリケーションの改修やパフォーマンス改善など、さまざまな改善事項に関しても、リリースの判定プロセス、決定者の権限管理などが仕組みとして整備され、IT統制が実現している。長沼氏は新たな運用保守体制について次のように評価する。
「イノベーティブな発想で経営に参画し、業務の要件定義からシステム開発まで支援を行うITイノベーション部にとって、システムの運用保守のあるべき姿を描くことは重要です。そのためには外部ベンダーの協力は不可欠であり、NTT DATA Groupの協力を得て統合ヘルプデスクを立ち上げ、運用の最適化が実現できたことは大きな成果と言えます」

徐々に定常運用フェーズに移行しつつある現在、既存のシステム環境を整理しながら、さらなる標準化、最適化を進めていく計画だ。まず、Suite on HANAに関しては、今後の事業計画の策定や現場からの要求に応じて必要な機能の追加や改修を行い、業務へのさらなる貢献を目指す。運用保守についても、ユーザーから寄せられる問い合わせ内容を蓄積・分析しながらFAQを充実させる一方、さらにパフォーマンス改善を進めながらサービスレベルを高めていくことを構想している。

今後は、統合ヘルプデスクのサポート範囲から当初外していたサブシステムについてもシステムの更新を機に取り込むなど、運用保守のスコープを拡大していく予定だ。一方で現在の運用保守の範囲のシステムに関しても、今後の状況を見ながらサポートのあり方を再考し、最適化を進めていくとしている。

その先に目指しているのが基幹システムの高度化だ。長沼氏は「システムの監視体制を強化し、各種のログを取得、分析しながらシステムのトラブルやパフォーマンス低下を未然に防いでいきます。さらに基幹システムの機能向上を図りながら、上場企業としてのイノベーションに取り組んでいきたいと考えています」と語る。コーポレートスローガンに「誠実に、革新的に」を掲げるNTT都市開発において、システムが支える経営イノベーションに向けたチャレンジは、今後も続いていく。

IT統合運用体制

IT統合運用体制

会社概要

NTT都市開発株式会社

設立:1986年1月21日
資本金:487億6,000万円
売上高(連結):1,830億1,600万円(2015年度)
従業員数(単独):402名(2016年3月末)
事業概要:総合不動産事業
http://www.nttud.co.jp/

パートナー企業

株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ

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