自社導入事例「三井情報株式会社」

三井情報株式会社
SAPのベストプラクティスを活用し
8カ月で基幹システムのビックバン導入を実現
常に最新のSAPソリューションの技術検証に取り組み、技術やノウハウを蓄積してきた三井情報株式会社(MKI)。同社はベストプラクティスベースの導入によって自社の基幹システムのリプレースを8カ月で完了。バリュープロトタイピングやクラウド環境での開発・検証など、プロジェクトを通じて強化した知見を、お客様へ短期間でのデリバリーを実現するための「ショーケース化」に日々取り組んでいる。

培ってきた技術力を自社の基幹システム統合に活用

高橋 昭 氏

高橋 昭 氏
三井情報株式会社
情報化推進部 部長

MKIは、2011年頃から自社が扱うソリューションを自ら導入し、コミュニケーションツールをはじめ、各業務で活用することに力を入れてきた。情報化推進部 部長の高橋昭氏は、「お客様に展開するソリューションを自分たちが実際に経験することで、さらなるサービス提案に活用していこうという会社方針の一環です」と語る。

このような方針のもと、いくつかの課題が顕在化してきた基幹システムのリプレースが計画された。MKIは2007年の会社合併を機に、急ピッチでシステムの統廃合を行った結果、個別システム単位での最適化が進んでデータが分散し、必要なデータを必要なタイミングで把握することが難しくなっていた。加えてシステムが分散しているため統制上の手続きが煩雑で非効率などの課題も浮上していた。

「欲しいデータをタイムリーに取得するのが難しいだけでなく、システム間のデータ集計や数字合わせに時間がかかっていました。また、業務分野ごとにフローが異なり、非効率なことも課題となっていました」(高橋氏)

そこで同社は、レガシーシステムの償却期限を迎えるタイミングで、SAP ERPによる基幹システム統合を決断した。

最新技術ノウハウの蓄積と「ショーケース化」への取り組み

松木 秀雄 氏

松木 秀雄 氏
三井情報株式会社
ERP推進部
ERP推進室 リーダー

人見 秀之 氏

人見 秀之 氏
三井情報株式会社
エンタープライズ技術部 部長

MKIにとって、システム統合本来の目的である「基幹業務を統一の基盤で再構築し、データの一元化と運用保守の効率化を実現すること」と同様に、「自社の中核ビジネスと位置付けているSAPの最新のソリューションを組み合わせて活用し、ノウハウの蓄積とショーケース化を実現すること」が重要だった。この方針に、経営陣をはじめ異論はなかったという。
もちろん、SAPソリューションの機能性についても、ERP推進部 ERP推進室リーダーの松木秀雄氏は振り返る。
「当社のサービスが扱う幅広い業種を標準機能でカバーできるパッケージとしては、SAPソリューションが最適と判断しました。もちろん堅牢性や信頼性、大規模データを一元管理できる能力の高さも大きな理由です」

自社のショーケース化と最新ノウハウの蓄積という点では、導入を担当する技術陣側にも大きな期待があったと、エンタープライズ技術部 部長の人見秀之氏は明かす。
「蓄積した技術をお客様に展開していくには、実行部隊となる技術者の育成が必須課題です。そこで今回のプロジェクトには、技術チームのスキルアップという将来を鑑み意識的にメンバーを投入しました」

導入プロジェクトは2012年12月にスタートし、翌年2月までの3カ月間が環境構築や機能検証といった準備期間にあてられた。2013年4月には開発が始まり、すべての機能が本稼動を迎えたのは8カ月後の同年11月だった。
「基幹システム統合の結果、課題は幾つも残ったものの、散在していた業務データの統合/一元管理や、タイムリーなデータ活用を実現する基盤が整備できました」(高橋氏)

最新手法の活用により8カ月で導入を完了

柴田 泰博 氏

柴田 泰博 氏
三井情報株式会社
情報化推進部
アプリケーションマネジメント室
マネージャー

業務面を評価しながらも、本プロジェクトの一番のポイントは、短期間での大規模導入を完了させたことである。「今回は20近い業務と10数種類のSAP製品を使い、SAP CRM やSAP Business Warehouse(SAP BW)、SAP BusinessObjectsソリューション、モバイルソリューションやSAP Business Planning and Consolidation、SAP Business ProcessManagement(SAP BPM)までを含めて要件確定後8カ月でサービスインしました」(松木氏)

構築のスピードを支えたのは、ベストプラクティスとして提供されている標準機能を活用して「ほぼ素で入れる」ことで、追加開発を最小限とする基本方針だった。以前のシステム群では業務に合わせる追加開発を大量に行ったため、導入期間が長期化するだけでなく、改修や運用に膨大な時間とコストを要していたとの反省から生まれたものだ。SAPの標準機能を最大限活用しつつ、導入期間を可能な限り短縮するため、効率化に有効な開発手法へ積極的にチャレンジしていった。具体的には、SAP Value Prototyping(VPT)やSAP Rapid Deployment solutions(RDS)などの活用だ。

VPTをプロジェクト準備段階のERPの構築とベストプラクティスの適用に利用することで、準備期間を1カ月短縮した。加えて、自社の固有の要件が少ない箇所はRDSを活用することで、標準機能の活用という基本方針と導入期間の短縮を両立させた。
また、開発・検証環境はアマゾン ウェブ サービス(AWS)上に構築し、さらなるスピード化を図った。機器の調達期間短縮だけでなく、プロジェクト期間中の機器構成の変更においても、AWSの柔軟性で吸収することにより、スケジュールに影響を与えなかった。

MKI社内での新基幹システムの導入効果は、当初の目的であるシステム統合、業務効率化以外にも表れていると、情報化推進部 アプリケーションマネジメント室 マネージャーの柴田泰博氏は感じている。
「業務の現場のリーダーや担当者の対応が変わってきました。以前は、必要な機能があればアドオンで開発/追加することを前提としていましたが、今は業務そのもののやり方を見直して効率化を実現するといった動きになっています」

また人見氏も、人材育成という面でも期待通りの成果を挙げつつあると評価する。
「今回の実績と自社で保有しているテンプレートを組み合わせて『短期導入モデル』をお客様に提案していくための、技術のボトムアップに向けた大きな足がかりができたと考えています」

さらなる改善と技術向上を通じてお客様への提案力を強化

「今回、短期間で基幹システムのリプレースを達成し、運用開始後も大きな数字の狂いや安定稼動に関わるトラブルが発生していないというのは、SAPをほぼ素で入れたことによる大きな成果です」と振り返る高橋氏。今後は、エンドユーザーにとってSAPの標準機能のままでは使い難い部分の解消や、さらなる業務効率化などを、業務ルールの見直しとシステムの改修という両面から最適化を進めていく方針だ。さらには、SAP HANAの導入も見据えている。

一方、技術陣の視点から語る人見氏は、「導入完了までには、実にさまざまな技術やノウハウを獲得することができました。今後もSAPの技術ロードマップに合わせて私たちも前進し続けることで、お客様への最適なご提案に活かしていきます」と意気込みを見せる。今回の挑戦がMKIにもたらした成果は、1つのプロジェクトという枠を超えて、さらなるビジネスの可能性へと拡がりつつある。

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会社概要

三井情報株式会社

本社:東京都港区
設立:1991年6月
事業概要:コンピュータおよび情報通信システムに関する調査/研究/コンサルティング/企画/設計/開発/製造/販売/運用/保守ならびにデータセンターサービスの提供、付加価値通信サービスの提供など
http://www.mki.co.jp/

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