導入事例「ナミックス株式会社」

ナミックス株式会社
本番稼動後の業務改革型保守サポートサービスを活用
エレクトロケミカル材料の研究・開発、製造を行う導電・絶縁材料のパイオニアメーカーとして、グローバルで活躍するナミックス株式会社。従来の手組みのシステムをやめ、2012年にSAP ERPの運用を開始した同社は、業務標準化による効率化を目指し、本番稼動後の業務改革をサポートするアイ・ピー・エスの保守サービスを活用し、海外拠点との情報連携に取り組んでいる。

業務の標準化に向けたSAP ERPへのリプレース

伊東 規勝 氏

伊東 規勝 氏
ナミックス株式会社
管理本部 INS G
グループマネージャー

ナミックス株式会社(以下、ナミックス)は、導電・絶縁材料のパイオニアであり、同社の製品は、液晶テレビのフラットパネルディスプレイや携帯電話の半導体部品など、暮らしの中のさまざまな場面で利用されている。2014年には経済産業省主催の「グローバルニッチトップ企業(GNT企業)100選」の『電気・電子部門』にも選定されているトップメーカーの1社だ。

同社は、近年取引の比率が上がってきた海外市場での競争力強化とさらなる事業発展を見据え、これまで利用してきた手組みのシステムからSAP ERPへのリプレースを決断。導入の目標として「業務標準化による効率化」「情報の見える化」「グローバル化」を挙げ、購買・在庫・販売・生産管理と財務/管理会計・BI(情報分析)を導入し、2012年10月に日本国内、2014年5月に台湾拠点での運用を開始した。

SAP ERP導入の経緯を、管理本部 INS G グループマネージャー 伊東規勝氏は次のように語る。
「これまでナミックスでは手組みでシステムを構築し、一から『自社にとってやりやすいやり方』で業務を行ってきました。そのため、仕事の属人化が進み、本当に効率的な手順になっていないのではないか、という思いがありました。一方で、世間一般に標準化された業務のやり方があると思っており、それに合わせて自社のシステムを構築していきたいと考えました」

そこで、SAPから化学・素材業界に実績の豊富なゴールドチャネルパートナーの1社として紹介を受けたアイ・ピー・エスを導入ベンダーに決め、同社が提供するSAP ERPテンプレート「EasyOne runs on SAP ERP」を利用した業務標準化への取り組みを始めた。

SAP ERPに合わせるということ

SAP ERPに限らずパッケージソフトの場合、世間一般に「パッケージに合わせなければならないのでは?」というイメージが抱かれがちである。ところが、実際にSAP ERPを導入してみて、標準化された業務のやり方は1つに決まったものではないのだと感じた、と伊東氏は続ける。「SAP ERPの導入プロジェクトをやってみて実感したのは、仕事のやり方はパッケージから与えられる、限定されたものではないということです。豊富な機能や業務フローを持つSAP ERPだからこそ提示可能な、多彩な選択肢の中から、自社にとって最適なものを選び取っていくことで標準化を進められるのだとわかりました」(伊東氏)

業界特有の課題である複雑な生もの管理

そうした考えのもと、標準化を行った業務の1つが在庫管理である。ナミックスが扱う製品は「生もの」でペースト状・液状で不定形なものが多く、内容量や容器が異なる場合には別の製品として管理している。また、どこにでも売れる汎用製品は少なく、得意先ごとに容器・容量が決まっているため、品目マスタの管理の煩雑さに悩まされていた。その結果、以前のシステムでは、同じ製品であっても異なる名前でマスタ管理を行うマスタの二重化が発生したり、本来定めたコードではないものでデータを入力してしまい、システム上の数字と実在庫の数字が合わなくなったり、とシステムの信頼性が薄れてしまっていた。SAP ERPを導入し、さらに素材業界向けソリューションSAP for Mill Productsを活用することで、これらの課題をすべて解決することができた。

図1:SAP for Mill Productsの活用

図1:SAP for Mill Productsの活用(クリックすると拡大します)

本番稼動からが本当のスタート

星 巧 氏

星 巧 氏
ナミックス株式会社
管理本部 INS G
シニアチームリーダー

2012年10月に運用を開始したナミックスだが、本番稼動直後の運用は必ずしも順調ではなかった。「当初は、システム入れ替えに合わせこれまでの業務のやり方を見直して、新しい取り組みを始めるつもりでした」と管理本部 INS G シニアチームリーダーの星巧氏は語る。また、そのために現場の1人ひとりが、システムから得られた情報をもとに判断して行動するように業務のやり方を変えて準備を進めていた。だが実際には、新しいシステムを使いこなすことができず、最低限の基本業務をこなすのが精いっぱいとなり、当初目指した成果を思うように出せなかったという。本番稼動後からの運用でいかに効果を出すか、という課題は、同社に限らず多くの企業に通じるものではないだろうか。

まだ新しいシステムや業務のやり方に慣れない中では、日常業務を確実に行うことが重要である。日常業務の定着化に合わせ、徐々に目標とした業務の在り方へと運用レベルを引き上げていく。こうした本番稼動からの取り組みを支援しているのが、アイ・ピー・エスの業務改革型保守サービスだ。最初は新しいシステムを使って現行業務を推進することの定着から開始して、少しずつシステムの使い方、情報の見方のレベルアップを図る。そのように継続的に取り組むことで、ユーザーが3年後、5年後にも投資効果を得られ、さらに10年使い続けても、その時に自社に必要な情報活用ができる、といったことを目指している。たとえば、本番稼動直後は、「取引発生の都度、きちんとSAP ERPに入力ができる」というような日々の業務で最低限必要な取り組みから始め、やがて定着化した頃を見計らって、新たな業務を採り入れていく、というように徐々にレベルアップを図り成果を出していくスタイルだ。

ナミックスはこの業務改革型保守サービスを活用して日々の業務定着化に取り組み、現在ではさらなる効果を目指した次のステップとして、日本拠点と台湾拠点の情報連携など、グローバルでの見える化と業務連携を進めている。

図2:システム活用のレベルアップ

図2:システム活用のレベルアップ(クリックすると拡大します)

会社概要

ナミックス株式会社

本社:新潟県新潟市
創業:1947年2月
資本金:8,000万円
売上高:254億円(2013年度実績)
事業概要:エレクトロケミカル材料の研究・開発、製造、販売
http://www.namics.co.jp/

パートナー企業

株式会社アイ・ピー・エス
株式会社アイ・ピー・エス

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