導入事例「エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社」

エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社
アイ・ピー・エスのグローバル展開サービスを活用し
米国本社と連携するSAPシステムを短期構築
グローバル光学機器メーカー、Edmund Optics® におけるアジア最大の拠点として多彩な製品の製造・販売を手がけるエドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社。同社は個別運用していたシステムをSAP ERPで統合し、米国本社とのリアルタイム連携を実現した。SAPのパートナーネットワーク(United VARs)を通じて紹介を受けた株式会社アイ・ピー・エスのグローバル展開サービス「GlobalOne」を採用したことにより、従来の半分以下のコストで本稼動を実現している。

グローバルSCMの確立を目指してSAP ERPを日本拠点に展開

ティモシー・ポール・ケネディ氏

ティモシー・ポール・ケネディ氏
エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社
執行役員 営業・マーケティング

光学部品、イメージング、フォトニクス技術を世界中に展開するEdmund Opticsの日本法人として1995年に設立されたエドモンド・オプティクス・ジャパン。秋田県湯沢市に最先端の生産工場を有し、オプティクス製品、イメージングシステムなど、標準規格品のカタログ販売を中心に手がけており、アジア全体の売上高の約60%を占める中核拠点だ。

同社の業務基盤となる従来のシステムは、会計、販売、生産、在庫管理の業務が個別パッケージやExcel、Accessなどで運用され、システム間の連携が不十分だった。日本法人の生産・販売・会計情報を米国本社に報告する際にも、情報を取りまとめてレポート化する作業をすべて手作業で行う必要があったため、本社でも日本法人の売上状況の可視化が課題となっていたという。中でも月次の締め処理は、本社に10日締めで報告すべきところ、データの集計や検証に時間がかかり、数日遅れになることもあった。

そこで、Edmund Opticsはグループを横断したグローバルSCMの構築を念頭に置き、米国本社ですでに運用していたSAP ERPを日本法人に展開することを決定した。エドモンド・オプティクス・ジャパン 執行役員のティモシー・ポール・ケネディ氏は「米国本社では、基幹システムのグローバル統合を見据えて実績豊富なSAP ERPを選定した経緯があります。本社に続く導入先として、生産・販売の重要拠点である日本法人がターゲットに定められました」と説明する。

世界45カ国をカバーするSAPパートナーネットワークの活用

エドモンド・オプティクス・ジャパンへのSAP ERP導入は、米国本社からIT部門の担当者や、業務部門の責任者が来日し、日本のIT部門や業務部門と共同でプロジェクト体制が組む体制で進められた。日本法人で使用するモジュールは、会計、販売、生産、在庫・購買とし、米国本社のサーバーにアクセスするシングルインスタンスで導入する方針が定められた。

原則として、米国本社の業務プロセスを日本法人にも展開する開発方針だったが、支払や税制などの会計領域については日本の会計ルールや法制度に合わせたカスタマイズが必要となる。そこでEdmund Opticsは世界各国のSAPパートナーが連携するグローバルネットワーク「United VARs」に支援を要請し、United VARsの日本代表であるアイ・ピー・エス(IPS)がプロジェクトに参画した。

United VARsは、中小・中堅企業へのSAP導入を得意とする各国のパートナーが連携してグローバル展開を支援するネットワークだ。各国のパートナーにはSAPの推薦を受けた1社のみが参加しており、45カ国をカバーしている(2013年11月現在)。今回のようにIPSが開発パートナーとして、海外企業の日本法人へのロールアウトに参画する場合もあれば、日本企業が海外のグループ企業にSAP ERPをロールアウトする際には、現地のことをよく知るUnited VARsのパートナーをIPSがコーディネートし、IPSと連携してプロジェクトを推進することもできる。今まで現地にSAP ERP技術者がいない場合、日本から技術者が出向かざるを得ず、導入後の保守体制の構築も困難だったが、United VARsを利用することで低コストでの導入と、現地パートナーによるオンサイトでの保守サポートが実現する。

United VARs

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IPSのグローバル展開サービス「GlobalOne」を適用

斉藤 英樹氏

斉藤 英樹氏
エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社
ITマネージャー

エドモンド・オプティクス・ジャパンのSAP ERP導入プロジェクトでは、IPSのグローバル展開サービス「GlobalOne」を適用し、IPSは会計・販売領域のシステム開発を担当した。エドモンド・オプティクス・ジャパンでITマネージャーを務める斉藤英樹氏は、「IPSには、帳票の作成に始まり、税制の違いや締め日・支払期日の違い、小数点以下の丸め処理など、アメリカと日本のシステムの違いを吸収するといった点で支援を受けました」と振り返る。

ユーザー教育については会計業務の一部を除いて、米国本社の業務担当者が日本の業務部門のキーマンに対してトレーニングを実施。会計業務に関しては、日本の商習慣を知るIPSが担当した。開発期間中から導入拠点となる秋田工場でサポートやトレーニングを担当し、稼動後もWebベースの電子会議システムを使って東京本社と秋田工場の利用者への追加トレーニングも実施している。

プロジェクト期間3カ月、外部コスト約5,000万円で本稼動

2012年6月にスタートしたプロジェクトは、同年10月にカットオーバーを迎え、実質3カ月で完了している。外部コストは、導入から米国本社の担当者の出張費用なども含めて約5,000万円。従来の海外展開のプロジェクトで見込まれるコストや導入期間の半分以下で本稼動までこぎつけた。短期間/低コストでの導入が実現した要因は、SAP ERPの導入ノウハウを身につけた米国本社の担当者がリーダーシップを取り、トップダウンによってプロジェクトを推進したことと、United VARsを通じて日本の仕組みに精通したIPSをパートナーに採用したことにある。

「米国本社がSAP ERPを採用した背景には、ローカルのニーズを把握しているパートナーが世界中に存在していることがありました。そして海外拠点への導入を確実に行うためUnited VARsを活用し、IPSに巡り会えたことが結果として成功につながりました。日本法人としても、IPSの高いスキルとSAPシステムに対する深い知識、柔軟で素早いサポートを高く評価しています」(ケネディ氏)

リアルタイム連携により在庫の問い合わせに迅速に回答

現在エドモンド・オプティクス・ジャパンでは、会計、販売、生産、在庫管理に関わる約70名が東京本社および秋田工場でSAP ERPを利用して業務を行っている。IPSは本稼動後も会計・販売システムを中心に継続的に運用およびサポートを担当し、帳票の修正作業や、日本国内での問い合わせなどに対応している。

新システムにより、会計、在庫、生産、販売の各種情報のリアルタイム連携が実現し、日本法人や米国本社から必要な情報がいつでも見られるようになった。「お客様から製品に対する問い合わせがあった際にも、在庫状況や納品日を正確に回答できるようになりました。国内に在庫がない場合には米国本社の在庫状況を確認して納期を回答すると同時に、製品の輸入や購買を指示することが可能となりました」(斉藤氏)

Edmund Opticsでは現在、日本での成功を足がかりに、シンガポール、韓国、台湾の現地法人へのSAP ERPのロールアウトが進行中だ。日本と同様、United VARsを活用して現地のパートナーと米国本社が共同で開発を進め、2014年7月の一斉稼動を目指している。今後もグローバルSCMの確立に向けて、海外展開の動きを加速させていく方針だ。

会社概要

エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社

本社:東京都文京区
創業:1995年
資本金:8,600万円
事業概要:光学部品・光学製品の製造販売、仕入輸出業務
http://www.edmundoptics.jp/

パートナー企業

株式会社アイ・ピー・エス
株式会社アイ・ピー・エス

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