成功事例「株式会社 山武」

株式会社 山武
アドオンソリューションで新リース会計基準への対応と
リース資産管理の効率化を実現
"「人を中心としたオートメーション」で、人々の「安心、快適、達成感」を実現するとともに、地球環境に貢献する"を企業理念に掲げる株式会社山武。2005年からグループの業務基盤としてSAP ERPを活用している同社は、2008年4月の事業年度から義務付けられた「新リース会計基準」に対応するため、株式会社ソフテスの「リース資産管理ソリューション」を採用。リース契約の一元管理と処理の自動化によって効率を高めながら、IFRS対応に向けた取り組みを開始している。

新リース会計基準への対応とリース管理の見直し

出羽 伸也氏

出羽 伸也氏
株式会社 山武
業務システム部
ソリューション開発グループ
グループマネージャー

1906年の創業以来、計測と制御のエキスパートとして、ビル事業や工場・プラント向け事業を展開する山武。多くの事業体の合併と再編を経て現在のazbilグループを形成してきた同社は、1998年にグループの主要3社を統合再編し、さらに2003年4月には山武を母体とする社内カンパニー制に移行した。一連の組織再編をきっかけに、同社は会計システムの統合を決断。株式会社ソフテスの支援のもと、SAP ERPを導入し、2005年に本稼働を開始した。その後も引き続きソフテスが運用サポートを行っている。

一方、2007年3月にリース取引の会計基準変更が改正され、2008年4月以降の事業年度からファイナンスリースを売買処理として扱う「新リース会計基準」での情報開示が義務付けられることになった。そこで山武はこの新たな基準に基づく会計処理を行うことを目的に、新たなリース資産管理システムの検討を開始した。

従来、同社では各部署が個別にリース資産管理を行っていたため、管理部門ではリース資産全体の状況を把握することができていなかった。営業車両、情報通信機器、パソコンなどを中心に、約2,000点にものぼるリース資産契約のほとんどが部署ごとに契約され、支払処理もそれぞれで行われていた。業務システム部 ソリューション開発グループ グループマネージャーの出羽伸也氏は次のように振り返る。

「当時、毎月の支払い請求は、個々の部署が請求伝票を起票して管理部門に回すというフローになっていました。それぞれの部署が案件ごとにリース会社を選定して契約を結んでいたため、当社が取引するリース会社は数十社にものぼり、契約管理と支払業務が複雑化していました。複数の部署が同一リース会社と契約している場合でも、全社的な管理ができていないため、1契約ごとに個別の請求書で処理することになり非効率でした。この状況を改善し、さらに新リース会計基準に対応した情報開示を行うためには、思い切った見直しが必要と考えました」

そこで同社は、リース資産を一元管理に向けた管理体制とシステムの刷新による課題の解決に着手した。

リース契約の一元管理と計上処理の自動化を実現

縄田 泰規氏

縄田 泰規氏
株式会社 山武
管理部
経理1グループ 主任

山武はリース資産管理システムの導入にあたって、SAP ERPの運用サポートの一環として定期ワークショップを行っているソフテスに改善策の提案を打診。その結果、同社が提供するSAP ERPのアドオンソリューション「リース資産管理ソリューション」の採用を決定した。

管理部 経理1グループ 主任の縄田泰規氏は「当社のリース管理要件を検討した結果、SAP ERPが提供するリース会計の標準機能のみでは、システム外の計算処理が発生したり、支払債務の自動計上などサポートされていない業務要件があることがわかりました。単体のリース資産管理パッケージも検討しましたが、どうしてもSAP ERPとの連携が複雑化します。その点、ソフテスのソリューションはSAP ERPの標準機能と連携しながら、当社で扱っているリース資産を一元管理できることが魅力でした。また、SAP ERPの資産マスタに登録するだけで、リース管理に必要な計算や処理がすべて自動実行されるため、大幅な業務の効率化が期待できました」と採用の経緯を説明する。

また、山武が展開する建物の省エネ化サービス「ESCO(エスコ)」事業で採用している転貸リース契約など、特殊なリース資産に対応できることも選定のポイントとなった。

開発とユーザートレーニングを並行する「コンサルティングワークショップ」

リース管理ソリューションの導入作業はソフテスの「コンサルティングワークショップ」という手法で行われた。ソリューションのベースとなるプロトタイプを構築し、開発環境上で稼働させながら、開発と検証を繰り返すソフテス独自のアプローチだ。ワークショップ開発は、プロジェクトの初期段階からエンドユーザーが参画することで、現場の意見をシステムに直接反映できるメリットと同時に、プロジェクトの経過がユーザートレーニングの役割を果たすことで、本番稼働後の現場のへの定着がスムーズになる。

「開発環境で実データを用いながら、発生した課題をソフテスのコンサルタントと協力して解決していきました。テストデータを作成したり、実環境に近いデータ件数でテストを繰り返したりと、それなりの苦労はありましたが、稼働後に想定されるトラブルがプロトタイプの段階で解決されるので、安心して本番に移行できました。SAP ERPの標準機能を極力活かす方針のもと、必要な機能を追加できたおかげで、短期間の構築が実現しました」(出羽氏)

コンサルティングワークショップによる開発と検証作業は、2008年4~5月の2カ月間にわたって集中的に行われた。そして、6月には本稼働がスタートし、2008年度の第一四半期の決算開示以降は、リース資産管理ソリューションで設定したデータに基づいて会計処理が行われている。

IFRS(国際財務報告基準)を見据えたリース会計への対応を強化

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「リース資産管理ソリューション」の導入により、同社のリース資産の管理効率は大幅に改善されている。各部署のユーザーは、リース契約の申請書を管理部門に提出するだけで済むようになった。管理部門はこれらの申請に基づき、SAP ERPの管理マスタに購入金額、支払金額、支払回数、利子率などを登録しておけば、指定日になると自動的に支払い処理が実行されるほか、資産計上も自動計上される流れだ。請求書もリース会社から管理部に直接届けられて集約される。

「各部署の負担が減った分、管理部門で入力作業が増加していますが、全社レベルで見れば作業効率は飛躍的に向上しているはずです。部署ごとにリース資産を管理していた時は、入力ミスのリスクもあり、管理部で再確認する手間がかかっていましたが、一元管理によってこの問題は解消されました。さらに、開示情報も一元化されているので、期末ごとに発生していた確認作業もなくなりました」と出羽氏は効果を実感している。

「今後はリース会社の集約化によってスケールメリットを出し、リース料の削減につなげていきます」と縄田氏が話すように、同社は全社のリース契約を最適化することによってコスト削減や管理効率の向上につなげていく考えだ。

今後は、IFRS(国際財務報告基準)への対応も課題となる。IFRSにおけるリース会計では、借手の会計処理として「使用権モデル」が提唱され、オペレーティングリースでも資産・負債の計上が必要となるが、今回導入した新システムによってスムーズな対応が可能となる。また、転貸リースについても会計基準のコンバージェンスが今後予定されるが、現在稼動している転貸リースのロジックに一部修正を行うことで効率的なIFRS対応を行っていくという。

「IFRSでは、リースや固定資産などの会計分野に限らず、販売系、生産系、購買系などを含めた幅広い業務プロセスとシステムについて対応しなくてはなりません。SAP ERPの標準機能を最大限活かしながらシステムを強化した今回のプロジェクトを通じて、ソフテスとの協力体制に大きな安心感を得ることができたため、今後もソフテスのソリューションの提案に期待しています」(出羽氏)

ソフテスのアドオンソリューションを採用し、短期間かつ低コストで新リース会計基準に対応した山武。今回のプロジェクトによって同社は、制度変更やビジネスモデルの変化が発生した場合にも、円滑なシステム変更を間違いなく実現できるという自信を深めている。

導入企業プロフィール

株式会社 山武

本社:東京都千代田区
設立:1949年8月
資本金:105億2,271万6,817円
事業概要:制御・計測機器、電気・通信・精密機器、空気調和制御機器などの開発・設計
http://www.azbil.com/jp/

パートナー企業

株式会社ソフテス
株式会社ソフテス