成功事例「オイレス工業株式会社」

オイレス工業株式会社
SAP ERP専用データリンクステーション
「InterLink Maestro」を基盤に個別受注生産スケジュールの最適化を推進
オイルレスベアリングをはじめとする高度な技術で世界に躍進するオイレス工業株式会社。10年にわたって、SAP ERPをインフラの中核にビジネスの構造改革を推し進めてきた同社は、その施策の一環として、株式会社エス・アイ・サービスのデータリンクステーション「InterLink Maestro」を採用。SAP ERPと外部システムの連携を簡素化し、業務効率の向上に取り組んでいる。

SAP ERPの活用に向けて外部システム連携を強化

加藤 謙一 氏

加藤 謙一 氏
オイレス工業株式会社
企画管理本部
情報システム部 課長

オイレス工業株式会社は、オイルレスベアリングを基軸に自動車・産業機器部品、免振・制振装置、建築機器などを製造・販売するメーカーだ。同社では創業50周年に当たる2000年、ビジネス構造改革の一環として、SAP ERPをグループ全体の基幹システムに採用。2001年9月の関連会社への導入を皮切りに、本社および国内子会社、ドイツ、チェコの関連会社へと展開し、2006年にはグループ内における経営管理の一元化を実現している。

経営において、よりスピードが要求される昨今、ITなどの間接部門にも、より「攻める」感覚に基づく積極的な提案が求められている。そのため、オイレス工業の情報システム部門においても、SAP ERPの効率的な活用に向けてさまざまな施策が行われている。その1つが、IDocによるEDI受注連携だ。IDocはSAP ERP間、またはSAP ERPと他システム間でデータの交換を行うためにSAPが開発したインタフェースであり、システム間の柔軟な連携を実現する。同社は2007年、このインタフェース機能を利用して、従来行われていた販売子会社と製造子会社とのグループ間取引を本社経由とし、本社側で、受発注状況をリアルタイムに把握できるようになっている。

その際に導入支援を行った株式会社エス・アイ・サービスは、SAP ERPのシステム間連携サービスのエキスパート集団として、IDoc関連の拡張・改修における全面的なコンサルティングサービスを提供した。

「基幹システムであるSAP ERPと外部システムとの連携は、避けては通れないポイントですが、アドオンで対応した場合、大幅な手間と時間が必要でした。この分野で確かな技術を有するパートナーとして、エス・アイ・サービスは我々の施策そのものの、可能性の幅を拡げてくれました」と、オイレス工業 企画管理本部 情報システム部 課長の加藤謙一氏は語る。

SAPシステム接続専用アダプタConnectPlusにより受注系連携を実現

オイレス工業におけるSAP ERPのサブシステム連携は、2008年8月に次の段階を迎えた。EDI受注系システムとERPを連携していたEAIツールを、エス・アイ・サービスが提供するSAPシステム接続専用アダプタ「ConnectPlus」に置き換えて、よりシンプルな運用を実現する試みだ。

従来使用していたEAIツールは、高機能であった分操作が煩雑で、プロセス変更も専任のエンジニアに依存しなくてはならなかった。ConnectPlusはSAP ERPとの接続に必要な機能のみに特化しているため、容易にシステム間の連携を実現し、システム管理や保守の大幅な負荷軽減が可能だ。

同プロジェクトでは、エス・アイ・サービスによるサンプルメッセージ開発の後、スキルトランスファーを受けたオイレス工業の社内要員が10数本のメッセージ開発を行った。

「大部分を社内で開発できたため、導入コストを大幅に抑えられました。特別な専門知識がなくても、SAP ERPとの接続開発ができるのがConnectPlusの大きなメリットです。丁寧なスキルトランスファーを通じて、社内の技術力も高めることができました。運用コストについても、従来のEAIツールでの運用と比較すると、5分の1まで低減することができています」(加藤氏)

InterLink Maestroをデータリンク基盤に生産スケジューラとのリアルタイム連携を模索

InterLink Maestro(il Maestro)

図1 クリックすると拡大します

オイレス工業はさらに、免震装置を製造する足利工場において、生産スケジューラとERPのデータ連携構想に着手した。免震装置は基本的に個別受注生産で、外注メーカー、社内工程のやり取りを経て完成品となっていく。その製造スケジュールをSAP ERP上で管理するためには、データを集計してSAP ERP上に反映させなくてはならなかったため、リアルタイムな運用は困難だった。

そこでエス・アイ・サービスが提案したのがSAP ERP専用データリンクステーション「InterLink Maestro(il Maestro)」だ。このソリューションは、ConnectPlusと同様に連携アダプタとして機能するとともに、プログラミングなしで使用できるジョブフロー定義機能を実装している。また、システム要件に合わせて6種類の実行トリガ(ファイル、スケジュール、Webサービス、HTTP、バッチ、DB)を標準搭載。ログ、プロセス、セッション等の管理機能があり、各運用管理機能を一元管理することが可能だ。同時に複数のシステムを接続・コントロールすることができるため、複雑なデータ連携において威力を発揮する。(図1)

川津 永 氏

川津 永 氏
オイレス工業株式会社
企画管理本部 情報システム部

オイレス工業では、このil Maestroをデータリンク基盤に、生産スケジューラも個別受注生産に適した新しいシステムに入れ替え、足利工場における生産の計画・進捗を可視化できると判断した。同プロジェクトのリーダーを務める企画管理本部 情報システム部の川津永氏は、採用のポイントを次のように説明する。

「スケジュール可視化のためには、リアルタイム性が担保されていることが前提となります。SAP ERPに生産スケジューラの情報をかぶせる方法を模索していたところ、エス・アイ・サービスから、まさに的を射た提案を受けました。大きなチャレンジではありましたが、エス・アイ・サービスの技術と実績が、思惑を確信に変えてくれました」

確かなデータリンク基盤によりアップグレードに際しても負荷を軽減

il Maestroを介してSAP ERPと生産スケジューラを接続するメッセージについては、エス・アイ・サービスが開発を一手に引き受けた。

「生産スケジューラのベンダー、エス・アイ・サービス、そして当社の三位一体の体制でプロジェクトを進められたことは、非常に大きな意義がありました」(川津氏)

また、il Maestroの導入に伴い、受注系システムについてもConnectPlusをil Maestroにリプレースし、データリンク基盤の共通化を図ることができた。さらに同社は2010年3月にSAP ERPを最新バージョンにアップグレードしているが、データリンク基盤としてil Maestroが既に機能していたため、インタフェースの混乱が少なく、アドオン改修などの負荷も大幅に削減できたという。

「今後も、新たに外部システムとSAP ERPを接続する際には、il Maestroがデータリンク基盤として活躍してくれるはずです。引き続き、国内外の工場や拠点に対して、さまざまな提案を積極的に推進していきたいと考えています」(加藤氏)

エス・アイ・サービスの提案と技術供与を踏まえて、オイレス工業はSAP ERP活用の新たな可能性を見出している。「攻める」情報システム部門の役割は、同社のビジネスにおける競争優位を支えるため、さらに重要性を増していくはずだ。

導入企業プロフィール

オイレス工業株式会社
本社:東京都港区
設立:1952年3月
資本金:85億8,500万円
事業概要:要滑部機材(オイルレスベアリング)、精密機械/工作機械/運搬機械/事務用機械
および部品、建築用・土木構造物用機材の製造および販売
http://www.oiles.co.jp/

パートナー企業

株式会社エス・アイ・サービス
株式会社エス・アイ・サービス

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