「IFRS」 第1回

IFRS(国際財務報告基準)は、日本企業に何をもたらすのか?
~その正しい理解と導入にあたっての実践ノウハウ~
すでに金融庁からロードマップ(中間報告)が発表され、日本企業への適用時期が着実に迫りつつあるIFRS(国際会計基準)。原則主義や賃借対照表の重視など、これまでとは異なる会計思想をフレームワークとするIFRSの導入には、その本質の正しい理解と戦略的な運用が不可欠です。

ビジネスのグローバリゼーションを支える「必然」としてのIFRSの行方(1/3)

IFRS理解へ向けての3つのポイント

2002年に米国の会計基準を策定するFASB(財務会計基準審議会)と、IFRS(国際財務報告基準)を基軸に国際的な枠組みの策定を推進する独立組織であるIASB(国際会計基準審議会)が、両者の基準を将来的にコンバージョンス(収斂)することに合意して以降、IFRSに関する議論がグローバルレベルで活発化しています。2010年2月、米国のSEC(証券取引委員会)は、上場企業へのIFRS適用を2015年以降に実施する声明を発表。IFRS適用の可否を2011年に正式決定し、その適用を2014年から段階的に進めるとしていた2008年のロードマップ案に対して、適用可否を判断する日程は変えていないものの、2009年12月以降に米国上場企業に認めていた早期適用は撤回しています。
これは一見、米国のIFRS導入への姿勢が後退したかのように見えますが、一方で今回の声明では、単一の高品質でグローバルな会計基準という目標の達成に向けたSECの長期的確約を再確認し、米国基準とIFRSのコンバージェンスを引き続き支持することを表明しています。実際に、6項目のワークプランを提示し、むしろ会計基準における国際化の流れが変わらないことを強く印象付けました。

では、その中で日本企業はIFRSをどう捉え、対応していけばいいのでしょうか。2009年2月に金融庁が策定したロードマップ案では、早ければ2015年にも国内の上場企業に対してIFRSを強制適用する方針を示唆しており、企業はまさに具体的な対応に向けて舵を切るべき段階に差しかかっています。これについて、中央大学専門職大学院 国際会計研究科の高田橋範充教授は、「IFRSは必要性ではなく、必然性の流れの中で捉えるべき」という前提のもとに、以下の3点をIFRS理解のポイントとして強調します。

≫IFRSを理解するための3つのポイントとは