SAP Best Practicesを活用したERPのグローバル展開手法の有効性

SAP Best Practicesを活用したERPのグローバル展開手法の有効性
日本企業がシステムを海外展開する場合、従来は業務プロセスや法制度、商慣習などの違いから、拠点単位で個別最適化された基幹システムを導入するケースが大半でした。しかし、ここ数年はガバナンス強化やITリソースの効率化を目的に、グローバルでのシステム統合を検討されるケースが増加しています。ここでは、株式会社日立製作所のノウハウを基に構築された新しいソリューションを中心に、今後のグローバル展開について考察します。

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SAP Best Practicesの有効性に着眼

ものづくりの独自性を重視してきた日本企業は、基幹システムの導入においても、国内事情や企業特有の要件を満たすことを追求し、アドオン/カスタマイズを重ねてきました。基幹システムを海外展開する際にも、各拠点の要件に応じて個別最適化を図るケースが大半でした。しかし、こうしたシステム方式には、プロセス、システム、人といった経営リソースに無駄が生じるとともに、グループ内のガバナンス強化が難しくなるという課題があります。また、国際競争が激化する中、グローバル全体の経営状況に基づく迅速な意思決定が求められています。

一方、海外企業のケースを見てみると、SAP ERPの標準機能にビジネスプロセスを合わせていくケースが多数を占めます。その場合、事前設定済みのビジネスプロセスおよびプロジェクトシナリオが盛り込まれたSAP Best Practicesを活用するケースが多く、SAPのノウハウに基づいて短期間で円滑なグローバル展開を実現しています。

日立製作所は、このSAP Best Practicesの有効性に着眼。かつ日立グループの豊富な実績をベースに、日本企業が求めるきめ細かい業務プロセスやドキュメントなどを融合した「日立グローバルソリューション for SAP」をリリースしました。そこに至った経緯を、同社のSAPビジネスソリューション部 部長の安達博幸氏は次のように語ります。

「日立製作所は、海外を含む主要なグループ会社に対して、SAP ERPを核とするシステム展開を進めてきました。導入から運用まで含めて効率性を模索する中、海外でスタンダードに活用されているSAP Best Practicesに着目しました。ビジネスプロセスの部品化などの有効性を実感する一方、あくまでも汎用性が追求されているため、プロセス全体の流れを重視する日本企業の要件には不十分なところもあります。そこで、各プロセスを構成する部品間の関係性を整理するなど、日立独自の工夫を行いました。また、SAP Best Practicesは1クライアント/1カ国を原則(たとえば、日本のベースラインを適用した際は、他国のベースラインを追加できない)としていますが、大企業の要件を満たすには、複数国対応を実現する必要があると考えています。そこで日立は、1クライアント/複数国に対応するようにテンプレートを整備しました。これにより、海外に拠点を持つ日系グローバル企業においても適用しやすくなったものと考えています」

取材協力していただいたパートナー企業

株式会社日立製作所
株式会社日立製作所

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