経営に貢献するITのライフサイクル管理とは

経営に貢献するITのライフサイクル管理とは
日本企業におけるSAP ERPの導入状況をみると、当初の目的であったプロセスの標準化や保守運用の効率化について、十分な効果検証が行われていない場合が多いようです。しかし今後、グローバル展開も視野に入れ、より経営に役立つ情報基盤を整備するには、PDCAサイクルを利用した展開モデルの確立が欠かせません。そこで今回は、コベルコシステム株式会社が提案する、ITのライフサイクル管理に基づくSAPシステムの活用について取り上げます。

経営に貢献するITのライフサイクル管理とは(1/2)

経営に貢献するITのあるべき姿

SAP ERPの導入は比較的大規模なプロジェクトになることが多く、導入自体がゴールと捉えられがちになります。しかし本来基幹システムとは、業務プロセスを標準化し、将来的なビジネスの変化に対応するための情報基盤であり、長期の運用や新たな業務展開に備えた長期ビジョンが重要です。コベルコシステムのERP本部 開発部 部長の菊地英氏は「日本国内では、ERP導入を機に『業務改革を実現する』『業務を標準化する』といった目標がありながら、実際は従来の手順に合わせて多くのアドオンを開発したり、現場の要望で帳票を作成し、当初の目標から離れてしまう例が少なくありません」と語ります。こうした事態は企業規模にかかわらず、個別最適で構築された仕組みを継承する場合や、ERP導入後も現場の意見で追加開発を繰り返すなど、長期的な視点が失われることによって起こるものです。

一方でグローバル展開においては、国内とは異なる課題があります。たとえば日本のメーカーが海外の生産拠点にSAP ERPを導入する場合、スピード重視で日本のマザー工場で稼働しているシステムをそのまま持ち込んで展開するケースが多数を占めます。しかし、海外の拠点では一般的に人材が流動的で、国内以上にプロセスの標準化と強固なガバナンスが求められます。そのため最近では大企業を中心に、グローバル拠点でERPシステムを構築し、それを日本に取り入れる事例も増えてきています。

国内展開、海外展開の両方に共通するのは、導入過程が最も重視され、導入後の効果測定や、適切な診断に基づく業務改善の取り組みが遅れがちになるという点です。

またIT部門に対しては、経営環境変化への支援という役割がますますクローズアップされています。システムの"お守役"から脱却し、「経営に貢献するIT」の提案役へとシフトすることが、今後のテーマとなります。

PDCAサイクルを踏まえたSAP ERP展開

菊地 英 氏

菊地 英 氏
コベルコシステム株式会社
ERP本部 開発部 部長

SAP ERPを活用してITの効率性を高めていくには、拠点展開、全社展開、グローバル展開の各フェーズで「導入準備」「導入」「実行」「評価と改善」のPDCAサイクルを回し、長期的な視点で改善を行うことが重要です。そこでコベルコシステムはPDCAサイクルを利用したERP展開を提案。導入前の構想化支援から、業種別の導入テンプレート、システムの保守・運用サービス、導入後の効果測定・改善提案まで、ITのライフサイクルを網羅するソリューションを提供しています。

同社は、中堅製造業向けの統合テンプレートHI-KORT(ハイコート)シリーズを中核に、短期導入やアドオン開発コストの最小化を支援します。「特に製造業で多数のSAP ERP導入実績を持つ当社は、導入スピードにおいても優れていると自負しています。開発担当者のコミュニケーションレベルも高く、お客様との信頼関係を築きながらプロジェクトを遂行するなかで、さまざまなノウハウをご提供します」(菊地氏)

グローバル展開に関しては、コベルコシステムのコンサルティング部門が構想段階から参加し、短期間での本稼働を実現しています。
「グローバル拠点にSAP ERPを導入するパターンは主に3つあります。1つはプライベートクラウド環境を用いた短期間の立ち上げです。この方式では、日本国内にグローバル拠点向けのシステムを構築し、導入教育のみを現地で行います。当社では、建設機械メーカーのグローバル展開を3カ月で実現した実績があります。2つめは、グローバルテンプレートを導入企業と共に開発し、海外に順次展開していくスタイルです。3つめは、日本のマザー工場のシステムを海外に移管し、現地の法規制や業務要件に合わせて改善していく従来の方法です。当社のコンサルティング部門は、お客様の要件を丁寧にヒアリングしながら、予算や期間に合わせて最適な手法を提案しています」(菊地氏)

≫投資対効果を評価し、継続的に改善活動を実行

取材協力していただいたパートナー企業

コベルコシステム株式会社
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