グローバル企業の成長ステップのために

製造業のグローバル競争力の鍵を握る
"巧遅拙速"型の基幹システム展開
国際情勢・市場の著しい変化に加えて、企業間の駆け引き、覇権争いが熾烈をきわめるグローバルビジネス。その中で日本の製造業が勝負をしていくためには、グローバルな視点に立った業務の効率化とともに、生産リードタイムの短縮、コスト体質の強化などを実現していく必要があります。ここでは、国内外のグローバル企業の基幹システム構築で多くの実績を有するアクセンチュア株式会社に、グローバルビジネスにおけるシステム展開のあり方について聞きました。

グローバル企業の成長ステップのために

グローバルビジネスにおける基幹システム統合の必然性

多くの製造業が中国をはじめとするアジアに生産拠点を置くビジネスモデルを積極的に展開するようになってから、すでに、10年以上が経過しています。その中で、「契約社会」の思想に基づく海外のグローバル企業は強力なガバナンスを発揮し、基幹システムにおいても統合化・一元化を積極的に推し進めてきました。一方、「現場」を尊重することで競争力を築き上げてきた日本の製造業は、グローバル展開していくに当たっても現場の裁量や判断を重んじる傾向があったため、基幹システムの統合化・一元化には一歩後れを取っていたといえるでしょう。
グローバル企業の成長ステップは、「特定地域の市場に限られた製品を投入する」という段階から、「限られた製品を多拠点で販売する」という段階へ、そして最終的には「あらゆる市場で多種多様な製品を販売し、そこで着実にシェアを獲得していく」段階へと向かっていくと考えられます。そのため原材料の調達から生産・販売・物流を包含したサプライチェーンに関する情報を統括する共通基盤として、またさまざまな変化に迅速に対応するための基盤として、基幹システムが大きな役割を果たすことになります。アクセンチュアのテクノロジー コンサルティング本部 SAPビジネス インテグレーション グループ パートナーの平尾隆明氏は、そのためにも共通基盤としての基幹システム統合が不可欠だと強調します。

「共通基盤の先には、グローバル管理強化というフェーズが存在します。これはつまり、どこから原料を調達して、どこで生産して、どの為替で、どの市場に投入すれば、最も利益を得られるかということです。これらをシミュレーションするには、各国の拠点から同じ粒度で情報を収集できる仕組みが必要です。たとえば、先のタイの大洪水のようなことが起こった場合、どこに生産移管すべきか、迅速な判断が求められます。また、為替レートが激しく変動する時代にあっては、採算性を吟味してビジネスを進めていくことも必要となります。つまり、グローバルビジネスにおいては、統合基幹システムが国際競争力の鍵を握っているのです」

テンプレートの活用による短期導入

では、基幹システムをグローバル展開していくに当たって、導入アプローチやシステム形態をどう考えていけばいいのでしょうか。アクセンチュアでは、導入アプローチは「期間重視」「要件重視」「運用重視」の3パターン、システム形態は「シングル構成」「テンプレート展開」「個別最適」の3つに大別し、導入企業とのコミュニケーションを図っています。
「いずれの導入アプローチ、システム形態も一長一短があります。重要なのは、自社の戦略を明確化して選択することです。ただ、仮想化やSOAなどといった技術革新もあり、現在ではシングル構成にチャレンジする環境が整いつつあると考えています。一方で製造業においては、特に現場との合意形成が重要な意味を持っています。我々は、そのためのフェーズを"前さばき"といっていますが、同じ目的に向かって1つの流れを形成すること。それを踏まえて要件定義を行っていくのが、アクセンチュアのアプローチの特長です」(平尾氏)
次にグローバル拠点への展開方法ですが、より早く一定レベルの情報を集約することを第一義に考えるのであれば、海外の仕組みをロールインするという方法もあります。ただし、特にお家芸ともいえる生産系システムにきめ細かい仕組みを有する日本の製造業が、細部の「こだわり」を捨てるには相当な覚悟が必要になります。日本企業としての長所を活かしながら、世界に追い付く共通基盤を構築していくには、テンプレートを活用して本社の基幹システム統合を実現し、それを各国拠点にロールアウトするという方法が適していると考えられます。

≫製造業における基幹システムのグローバル展開

取材協力していただいたパートナー企業

アクセンチュア株式会
アクセンチュア株式会

  • JSUG入会のご案内JSUGNET利用登録について
  • JSUG事例 FactDB
  • JSUGの理念