インメモリー・コンピューティングが拓くBIの新たな可能性

インメモリー・コンピューティングが拓くBIの新たな可能性
変化の激しい経営環境にあって、企業においてはいち早く市場のトレンドを察知し、素早いアクションにつなげていくことが、新たな成長を生み出すための必須課題となっています。そこで問われるのが、膨大な情報の把握・分析を支える経営基盤としてのBI(Business Intelligence)の在り方です。SAP HANAに代表されるインメモリー・テクノロジーが実装されたBIソリューションの登場によって、情報の分析活用は新たな段階を迎えています。多くの業種でBI導入支援の実績を持つアビームコンサルティング株式会社に、これからのBIソリューションの可能性について聞いてみました。

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インメモリー・テクノロジーが実現するリアルタイム経営

ダッシュボードを活用した経営情報の「見える化」など、これまでのBIはビジネスのさまざまな局面における経営層やマネジメント層の意思決定支援に主眼が置かれてきました。しかし、企業が扱う経営情報は多様化・膨大化の一途をたどり、今まさに本格的な「ビッグデータ時代」を迎えようとしています。そこでは「必要な情報がどこにあるのかわからない」「最新のデータをタイムリーに活用したい」など、現場からさまざまな要望が寄せられます。分析のためにERP、CRM、その他の外部システムといった複数のシステムから情報を抽出し、加工しなければならない従来のプロセスでは、何よりスピードが求められる現在のビジネス環境に対応できない状況が生まれているのです。
一方、2011年に発生した東日本大地震、タイの大洪水など、企業活動の生命線ともいえる生産、流通のプロセスが寸断される事態が相次ぐ中、BCP(事業継続性)の観点での仮説・検証プロセスの高度化も、企業にとって急務な課題となっています。ここでも、一定のパフォーマンスを担保することを目的に、強固なロジックのもとに構築された従来のBIは、多層なレイヤを介して、特定の部門が必要とするデータを抜き出したデータマートの集合体として構成されているため、大きくビジネス環境が変わった時の分析やシミュレーションといった情報活用ニーズに応えられない弱点が指摘されています。
いずれにしても、企業のBIに対するニーズは、データの高速処理、さらなる高度な分析活用へと向かっていることは間違いありません。そして、それを可能とするイノベーションとして注目を集めているのがインメモリー・コンピューティングです。メモリーに大量の情報を乗せて処理するインメモリー・コンピューティングは、これまでにない圧倒的な処理スピードを実現します。しかも、データの発生源により近いところで、粒度・精度の高い情報を臨機応変に抽出する仕組みが可能になるのです。アビームコンサルティングの執行役員を務めるプロセス&テクノロジー事業部の矢野智一氏は、そのインパクトを次のように説明します。
「BIを導入したものの、業務でその価値が十分に活かし切れていないという声が多くの企業から聞かれますが、BIは本来、運用を通じたユーザーの"気付き"によって進化するものです。こういう情報が欲しい、新たな分析軸が必要といったユーザーの"気付き"を、データの発生源に近いところで集約することができれば、より業務やビジネスに直結した情報活用が可能になります。その意味で、処理スピードに格段の差があるインメモリー・コンピューティングでデータウェアハウスを統合することができれば、こうした可能性は大きく広がります。まさに情報活用のパラダイムシフトといっても過言ではありません」

シンプルな設計で活用のニーズに対応

実際にインメモリー・コンピューティングによるBIは、企業にとってどのようなメリットをもたらすのでしょうか。アビームコンサルティングで主にテクノロジー面からBIの可能性を追求するプロセス&テクノロジー事業部 エキスパートの長井孝治氏は「まずは設計のシンプルさ」を挙げます。 「要件定義に始まり、ロジックの定義、データの集約方法、データマートの設計など、従来のBIの運用にはこうした多段階の設計による制約がつきものでした。これに対してインメモリー・コンピューティングでは、基幹システムの全明細データを取り込むというシンプルな発想を実現できることがベースになっています。煩雑な設計やデータを収集する時間が大幅に削減されることはもちろんのこと、パフォーマンスを気にすることなく、ERPなどに蓄積された明細データをリアルタイムで分析することが可能になります」 また設計のシンプルさは、現場からの改善要求に対する柔軟性も高めます。たとえば、ビジネス環境の変化に伴い、新たに分析軸が必要になった場合でも、インメモリー・コンピューティングなら複雑なロジックを組み立てなくても、劇的なスピードで結果を導き出すことが可能です。

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アビームコンサルティング株式会社
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